債権者代位権に関する問題の解答
【問10】 債権者代位権に関する以下の事例につき判例の趣旨に照らし正誤を答えなさい。
AはBに対し債権を有し、BはCに対し債権を有しているところ、BのCに対する債権が時効により消滅しそうである。
この場合において、AはBのCに対する債権の消滅時効を中断することはできない。
【正解】×
【解説】 大判昭和15年3月15日の判例によると、「債権者が第三債務者に対する訴訟において、債務者の第三債務者に対する債権の消滅時効の中断を行うことができる」とされている。
したがって、時効の中断をすることができないとしている点で誤り。
なお、本事例とは反対に、債務者が他の債権者に対して負う債務の消滅時効を債権者が債務者に代位して援用することも可能である(最判昭和43年9月26日)。